久しぶりに絵本の記事でもと思って、何を描こうかと家の中を漁って出てきたのが福音館書店 たかくあけみ「やぎのめーどん」だったので今回はこれで。
なずな屋で100円だった代物。なずな屋は西荻にある古本屋。前は興居島屋というお店だったのですが、リニューアルしたようで。とてもいいお店です。
飼い主のおんなの子とやぎのめーどんが家から山へと散歩に向かい、そして家に帰っていくとお話。絵本では良くあるパターンです。
発行が1998年と最近です。いや、最近ではないですよね。年を取ると90年代も最近に感じてしまうのですよ。まあ、比較的ね。最近。
ということで絵が新しい。ところどころに描かれている動物達がCMかなんかのキャラクターぽい。
めーどんとおんなの子は終始写実的に描かれていますが、山道に生えている木や石には顔が描かれており、めーどん以外の動物はキャラクターぽかったり、思い切り簡略して描かれたりしています。
例えば草と一体化してたりと。つまり、木や動物達は現実ではなくあっちの世界の住人なのです。
おんなの子がしだを食べるとその動物達の存在に気がつき、めーどんのおちちを動物達に与えてみんなで踊るというシーンがこの絵本のクライマックス。
えっ?そのしだって、もしかして・・・と邪推したくもなりますが。笑
めーどんはおんなの子に比べると2倍以上は大きくい。こんなやぎがいればあっちの世界に踏み入れてもちゃんと帰ってこれる。頼もしい守護者という訳です。
絵柄のユーモラスさとかわいさ、淡い色彩の心地よさに、「めーどん めーどん めーめーどん どんどん あるこう めーどんどん」 とリズミカルな文章共にテンポ良く進む展開。そして全編にうっすらと漂うサイケ感。これらが本作の魅力です。
作者である、たかくあけみさんはネットで調べた限りは絵本を多くは描かれていない無いようで。是非、めーどんのような良い作品を今後も描いて頂きたいものです。
やぎのめーどん (こどものとも700号記念コレクション20) たかく あけみ 福音館書店 2014-04 by G-Tools |