前回に続いて今回もマリー・ホール・エッソの作品から絵本「わたしと あそんで」をとりあげます。設定の巧みさや話の深みでは前回取り上げた「もりのなか」ですが、絵の可愛らしさから言えばコチラです。

 

あらすじ 動物が大好きな「わたし」は動物達と遊びたくて仕方がありません。「あそびましょ」と声をかけて動物を捕まえようとしますが、みんな逃げてしまいます。
だあれも遊んでくれないと、しょげて音を立てず大人しくしている「わたし」のまわりに徐々に動物達が集まってきます。

 

まず、何よりチョコレートを口の周りにつけているのがよく似合うような女の子「わたし」の仕草が可愛いです。
絵本の中で色がついているのが「わたし」と動物達のみで木や家などの背景には色がついていません。
「だあれも遊んでくれない」と池の淵の石に腰掛けているページでは色は「わたし」の髪と肌と靴の色のみと地味な雰囲気ですが、そこにバッタが戻って来るとバッタの色がページに加わり、カエル、カメとドンドンと動物達が戻ってくる毎にページの色もドンドンと増えてきます。「わたし」の喜びとページのカラフルさがリンクしているのです。こういう仕掛けはさすがに見事なものです。
また、話は池の周りで展開されるのですが、水面に映る女の子や動物達の影がユラユラと儚くも美しいの一言。

 

私の手元にある絵本は1984年版ですが、最近のは装丁の地の色がクリームからピンクに変わっているのですね。日の光をイメージしてクリーム色だと思うのですが、ピンクに変わると作品の印象も変わってくるのでしょうか?
ピンクの方が手に取って貰い易そうでは有りますね。

 

動物達とつき合い方、(ひいては人づき合い)をテーマとしているこの作品は、どこかペットシッターの仕事と重なる点も興味を惹かれました。確かに無理に仲良くなろうとしても駄目だし、仲良くなれると嬉しいよね。ウンウンと頷くことしきりでした。

 

4834001539 わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
マリー・ホール・エッツ
福音館書店 1968-08-01

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