どんなジャンルにも受け手の性別、年齢、嗜好そして時代をを超えて訴えかける作品が存在します。そんな作品をマスターピースと呼ぶなら、絵本「はらぺこあおむし」は間違いなくマスターピースでしょう。

 

一枚の葉っぱでも部分によって色を書き分ける色使いの多彩さ、鮮やかさ。コラージュによって生み出される立体感。おなかを壊したのあおむし情けない顔、無関心さまで感じさせる明るい太陽、やさしい白い月。単純にして飽きのこないストーリー。

 

「はらぺこあおむし」の魅力は沢山の人に語られてるのでわざわざ下手な文章で再度述べなくてもいいのですが(動物じゃなくて昆虫だし)7月24日付けの朝日新聞のこんな記事↓が載っていたので。以下抜粋。

 

何度も手術を受けた心臓病の女の子がいた。むしが次々に果物をかじって、あなをあけていく 絵本「はらぺこあおむし」をみて、その子はいった。「食べたあとが腐らないのはヘンだ」村中のもっている初版では、虫の食べてあとは色が変わっていた。米国の著者エリック・カール(79)に理由を問い合わせた。「わかりやすさを求めて改版のさい、シンプルにした」と返事があった。

 

日本では88年に改訂版が出ているそうで、違いが知りたくて書店で改訂版をチェックしました。
手元にある改訂前版と比べてみると蝶の目が違ったりと細かく変えているようです。
素人目にはじっくりと見ないとわからないような、変更を行うこだわりが名作を生み出すのでしょうね。

 

4033280103 はらぺこあおむし
エリック=カール もり ひさし
偕成社 1989-02

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