少し前の話になりますが、朝の情報番組スッキリ!!にて放映されていた*「スッキリ・クロラ」に出てくる押井監督の顔を模した、ワンちゃんを押井犬と呼んで勝手に喜んでいました。かわいくないとか。本人に似ているけど髪は多いとか。悪口では有りませんよ。私は押井犬のことをとても気に入っています。
そんな訳で今まで押井作品に触れたことがなかったので、いい機会だと映画「イノセンス」を見ました。

 

*映画「スカイ・クロラ」の登場人物とスッキリ!!の出演者が登場する1分間のアニメーション
現在(8月21日)も第二日本テレビで閲覧可能(http://www.dai2ntv.jp/p/z/131z/

 

あくまで私の主観ですが、力の入った映像でしたが圧倒まではされず、脳を機械化して人々が膨大な情報を共有し、体の一部を機械化することによって自分と他人の区別がつかなくなる 「この体、この脳は誰のもの?自分と他人との違いってなに?」という問題定義は興味深いし、自分と他人との区別がつきにいく状況下において自我を保つ為にイノセンスなものを求める行為(主人公バトーにとってはバセットハウンドと手が届かない遠くにいってしまった、もしくは気づかない程近くにいる少佐)こそが自分らしさだという帰結もうなずけるのですが、どこか物語にひきつけられない。
退屈とまでは行かないにしても引き込まれない。後で見たパトレーバー2の方が物語としてのパワーを感じました。
コアなファンからすると読み込みが足りないのかもしれませんが、個人的な感想ですのご容赦を。
ハードボイルドで謎めいたセリフやアクションシーンはハリウッド映画を思わせるので、これらにオリエンタル風味を加えているのが海外受けする秘訣でしょうか。

 

でも素早い展開のアクションシーンや壮大な都市を描くシーンよりも私の目を引いた映像はバトーの飼うバセットハウンドの食事シーンです。
食事を与えると、早速食器に顔を突っ込むのですが長い耳まで食器の中にするとバトーが優しく耳を取り出してあげます。クールでタフなバトーが心優しい人間であることが一瞬で分かるシーンです。
一瞬にして多くの情報を伝えるのが作り手の技であり、それを見抜くのが受け手の醍醐味ではないでしょうか?
このシーンには、食いつきのいいワンちゃんを飼ったことのある方ならお馴染みの勢い余って食器を押しながら食べ続けるというオマケまでついてきます。監督はバセットハウンドを飼っているそうですがバトーの優しさ共に監督のワンちゃんに対する愛情と観察の深さが分かるシーンですね。

 

イノセンスを見て、監督本人に興味が湧いてきたので他の作品も機会があれば見てみようかなと思っています。

 

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