去る三月四日。石神井公園のふるさと文化館に行ってきました。
うどんを食べに行ったことは有るが展示を見るのは初めて。二階に昇って展示室へ。思ったより狭い。
妖怪に関する展示で、私の目当ては歌川国芳の浮世絵。先日の六本木ヒルズでの国芳展では閲覧者が一杯いてゆっくり見られなかったので、石神井なら落ち着いて見られるだろうと踏んで。
ところが最終日だからかこちらの入りもなかなか。

 

早速、浮世絵コーナーへ。六本木ではゆっくり見られなかった国芳をマジマジと見る。酒呑童子を源頼光らが退治している浮世絵なんかはやっぱ迫力があってカッコイイ。
他の作者ものも展示されていたが、月岡芳年という人のが大胆でよい。知らない人なので家に帰って調べてると、歌川国芳の弟子にして「血まみれ芳年」「最後の浮世絵師」などの二つ名で呼ばれる
明治期の大物浮世絵師。
どおりで素晴らしいはずだ。ウィキペディアには芳年について色々なエピソードが載っていて面白かったのでご興味のある方は是非。
浮世絵を見終え、妖怪を題材にしたお伽草紙等にも目をとおす。オドロオドロしいものだけではなく、コメディータッチの作品も有り、妖怪のような人知の及ばない不可解さに対して怖がるだけではなく、面白がって消化していたのかも。

 

せっかくなので企画展だけでは、常設展も覗く。こちらはスペースを広くとってあり、昭和の町並みを再現したセットなどが展示されており、お金が掛かっている。
こういったものは一回見る分には楽しめるが、二回目は来ないので常設展に使うスペースやお金を企画展に回せばいいのなぁと感じた。

 

実は今回印象に残っているのは妖怪展を見学している際に「妖怪が放射能を食べてくれるといいのにね」と母親に話し掛けている小学生の男の子の台詞だったりする。
えらい世の中になってしまったなぁと。

 

4544212049 月岡芳年 和漢百物語 (謎解き浮世絵叢書)
菅原 真弓 町田市立国際版画美術館
二玄社 2011-07-08

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