出鱈目なりに生きる―「僕とポーク」

百円で買ったほしのよりこ「僕とポーク」を取り上げます。
本作は中編集で、出来がいいのは表題作。他も悪くは無いですが、「僕とポーク」はずば抜けてよい。

 

ほしのよりこといえば、猫村さんですが、僕とポークも全然負けてないと思います。
作品で描かれてのは、今までも、今も、これからもずっーと係わり続けなきゃいけない例のヤツ。
ずばり「人生」。

 

すぐに「人生ってさあー」とか言う人や作品は要注意なのですが、本作は別。
主人公ボクの少年時代から結婚するまでが描かれているのですが、主人公はよく悩みます。

 

親に食べ物を残すなと怒られては、悩み。自分がブーちゃん(ブタ)を飼う意味は?と悩み。なぜ同級生の女の子がやたらと声を掛けてくるのかと悩みます。
一方、悩み割にはブーちゃんに食事を持って行くこと以外は何にもしません。
受験勉強もさしてせずに大学へ入り、入ったら入ったで格好だけでテニスはやらないテニス風サークルに所属。先生になると決意したと思ったらあっさり諦める。
かと思うとしっかり女の子を捕まえて結婚してしまう。

 

主人公に限らず、本書に登場する人物達は何処か出鱈目で、胡散臭い。でも彼らは悪い人間ではない・・・どころか自分達なりにより良く生きようと懸命に頑張っている人々なのです。と言っても一所懸命ではなく程々にですが。

 

俯瞰してみれば、私を含めた人間はすべからず出鱈目な事ばかりやっているのかもしれません。
でも、そんな人間の人生を見つめる作者の目は口元に半笑いを浮かべつつも優しい。
それは本書の最後に収録された鳥達の無責任で楽天的なセリフにも出ていると思います。

 

4838718292 僕とポーク
ほしよりこ
マガジンハウス 2007-12-06

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2010.04.07