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2009.10.14
ブログアイメイト協会見学会②―講義編
さて、やっと当日の様子に移ります。見学会の段取りは講義。そして目隠しをしてのアイメイとの歩行体験となっていて、まずは練馬区は関町北にあるアイメイト協会の講義室へ。 見学会に応募した際に「7、8月は夏休みなので学生さんの応募が多いんですよ。」と電話口で言われたが、まさにその通りで30ほどある椅子は満席。小学生達もしくは若い親子連れが殆どで、若くもなく歳でもない自分は何やら肩身が狭い。 まあまあと気を取り直して講義へ集中、集中。 講義はスクリーンを使っての映像とインストラクターさんの話を交互に織り交ぜ、時折受講者にクイズを出しながらの進行。テンポ良く、分かりやすいお話で和やかに講義は進んでいきました。 講義内容は大きく分けるとアイメイトの訓練方法と我々晴眼者が視覚障害者にどう接すればよいかの二つ。 それぞれ具体的な内容に触れる。まずは訓練方法から。 アイメイトは1歳2ヶ月から訓練を始める。それまではボランティアにより繁殖され、育てられる。繁殖された全てのの犬がアイメイトになる訳ではなく、素養をみて選別される。 数としてはおおよそ7、8割程がアイメイトとして活躍する。 そして1歳2ヶ月からはじめた訓練1歳6ヶ月まで行われ、その後アイメイト使用希望者を交えて4週間の歩行を指導を行う。その際には使用希望者も協会に泊り込んで指導を受ける。指導の仕上げとしてアイメイトと使用希望者は二人のみで帰路に着く。 ちなみにアイメイトを引退するのは10~12歳頃までで、余生はボランティアに引き取られ過ごす。 訓練は学習への態度の基礎作上げる基礎訓練と障害物の回避、バスや電車の乗降などの実践的な訓練を行う誘導訓練の二つに分かれている。 車が通っているのに道を渡ろうとする使用者に従わないよう等に必要に応じて指示に従わない「利口な不服従」を教え込むのは大変そうでした。訓練は段階的に難易度を上げていき、始めは15分程度で行い、最終的には1時間半に達する。 話を聞いていて自分が誤解をしていたなと気づかされたのは、使用者は漫然とアイメイトに引っ張られて歩いているわけでは無いということです。つまり歩行の際、主導権を握っているのはあくまで使用者なのです。 例えばA地点からB地点に行く際には、アイメイトは道中に曲がり角や階段、改札等が有る事を知らせるのみで、使用者自身が道順を覚えており、通りから2つ目の曲がり角で曲がろうと判断しなければならいのです。 信号さえもアイメイトに存在を教えられた後は、人の流れなどから信号が変わったのを判断して渡っているのです。 晴眼者かつ方向音痴である私には俄かには出来そうもないスキルで、事実、中途失明者は訓練中、苦労するとの事でした。 その為にも4週間の泊り込みの訓練が必要なのだと大いに納得しました。 続いて視覚障害者に対する接し方ですが、ある場所への誘導方法、椅子への誘導、テーブルに置かれた食べ物の位置の説明、アイメト使用者の誘導方法について説明を受けました。 全て説明をすると長くなるのでかいつまんで短めに。誘導のコツは下記の三点。 ・情報は全て言葉に出す。 ・方向、場所は前後左右で伝える。 ・急に押したり引っ張ったりしない。 テーブルの上の食べ物の位置を説明する際には12時の方向にはお茶、9時の方向にはケーキ、6時方向にはスプーンと時計の文字盤に見立てて知らせる。このように教えて頂いた事は理に適った実践的な内容でした。 以前、1度だけ視覚障害者を誘導した事があるのですが、その際の自分が全然なっていなかった事を改めて思い知りました。 実践的な事だけではなく、一番大切なの、困っていそうだったら思い切って声を掛ける事だともおしゃっていました。 と、今回はここまで。歩行体験の様子等続きはアイメイト協会見学会③に譲ります。 -
2009.10.07
ブログ雨、雨、台風―ペットシッター的花鳥風月⑥
雨が続きますね。しかも台風が東京にも影響しそう。 イイのか悪いのか?(恐らく悪い)最近はペットシッターのご依頼が少ないので、さほど雨の被害を受けずに済んでいます。 そんな感じで手隙だったのでアイメイト協会見学会②を書いていたのですが、煮詰まったので気分転換にこの記事を書いてみました。 で、こっちでも書くことが無くなっているのが現状です。今ってどんな記事を書けばタイムリーなのでしょうか?酒井法子、沢尻エリカ関係?鳩山政権?あいにくどちらに関しても語る言葉を持ち合わせていません。野球?サッカー?ボクシング?スポーツの秋とは言え、こんなに天気じゃねぇ。 あ、そうか。音楽の話がイイか。そうか、そうか。 という訳で急遽かつ我田引水的に秋の夜長をゆったりと過ごせる1曲をご紹介します。 1982年リリースの「CARLTON AND THE SHOES/THIS HEART OF MINE」から「GIVE ME LITTLE MORE」です。 音源はコチラ(直接張り付けたかったのですが出来ませんでした。スイマセン。) 普段はあまりルーツミュージックを聴かないのですが、コレはイイ。 ヴォーカル、コーラスがメロディーにとろけて、心地よい切なさが胸を満たします。 もともと、ジャンル不問の曲として有名ですが、確かに他ジャンルからルーツミュージックの架け橋になること受け合いの名曲です。 今回はいきなり音楽の紹介なぞしてみましたが、如何だったでしょうか?好評でしたら、またやりたいと思ってます。 まあ、このブログで好評だった記事なんてないんですけど。と自虐的に終わってみます。 -
2009.10.05
ブログアイメイト協会見学会①―アイメイトとは?編
7月末ですから、もう2ヶ月も前のお話で恐縮ですが、アイメイト協会が主催する見学会に行ってきました。アイメイト協会自体をご存じない方も多いかと思いますので、まずはご説明から。 アイメイトとは一般でいう盲導犬を指すのですが、同協会では盲導犬をアイメイトと呼びます。 何故、そう呼ぶかといえば「盲を導く犬と考えると主体は犬になるが、主体はあくまでも人(視覚障害者)である」ためアイメイトの名称を使っているおり、I(私) 愛(LOVE) EYE(目)から「私の愛する目の仲間」という意味も有るそうです。 つまりアイメイト協会とは、盲導犬によって視覚障害者のサポートを行う非営利盲人更正援護施設の事です。 ではアイメイト協会について簡単に触れておきます。 同協会の創設者塩屋賢一氏が国産盲導犬(アイメイト)第一号チャンピーを育成して以来日本最大数の1000組以上の視覚障害者と盲導犬のペアを送り出している。そのペアたちは日本各地にとどまらず海外においても生活をしている。 同協会は高度な技術力を持ち、犬の訓練を4カ月間で仕上げているのは世界唯一であり、その課目数は短期間ながら最大を誇っている。 高い技術力を裏付ける数字として平成11年~15年においてアイメイト協会は152頭(5年間)のアイメイトを輩出。また、1頭にかかった費用は約608万円が挙げられる。 参考までに他の盲導犬協会の輩出数を書き出すと↓- 日本盲導犬協会 63頭(4年間) 1頭につきかかった費用約4114万円
- 関西盲導犬協会 57頭(5年間) 1頭につきかかった費用1138万円
- 九州盲導犬協会 37頭(5年間) 1頭につきかかった費用1864万円
- 栃木盲導犬センター(現東日本盲導犬協会) 30頭(5年間) 1頭につきかかった費用2019万円
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2009.09.29
その他書籍動物愛護週間が終わりましたねー消えたマンガ家 ダウナー系の巻
シルバーウィーク中は沢山のご依頼ありがとうございました。お陰様でお盆や年末年始の繁忙期と変わらないご依頼を頂きました。 さて、26日で動物愛護週間が終わりましたね。前回、お伝えした通り動物愛護週間中の売上げの一部を寄付したいと思います。 金額は2万円。そして寄付先は・・・もう少し待ってください。実は決まっているのですが、こちらの都合で発表を先に延ばします。 これで連絡事項はお終いなのですが、それじゃ味気ないから、最近読んでやたら面白かった大泉実成「消えたマンガ家 ダウナー系の巻」を簡単にご紹介します。動物は全く出てきませんが。 内容としては「あの人は今?マンガ家編」。一線から消えたマンガ家達の今を追うという主旨。 一人一人のマンガ家のエピソードも充分面白いのですが、本書の優れている点は消えていったマンガ家の多くが精神障害や自殺に追い込まれている事に注目し(本書で紹介されているマンガ家8名中3名が自殺)、その原因を「ジャンプシステム」に代表される出版界がかかえている構造的欠陥であると看破した点である。 本書によるとジャンプシステムは「隔離とさえいえる作家の囲い込み」「有無を言わせぬ編集者の作品への手直し」「読者人気投票による冷酷なまでの作品の打切り」「作家のあつかいが他のどの媒体よりも過酷」という負の特性を持つそうです。 序盤の「あの人は今」的な展開から、漫画家が如何に心身を削ってギリギリのラインで作品を作り上げているかを伝え、また、作品のオリジナリティと商業主義の関係を改めて考えさせられるステージーまで引き上げた作者のグイグイと対象に迫る腕力に感服。 まさに良書。間違いなくマンガ好き限らない広い読者にアピールする作品と言えるでしょう。
消えたマンガ家―ダウナー系の巻 (新潮OH!文庫)
大泉 実成
新潮社 2000-12
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2009.09.10
その他書籍羨ましい―「食ふ」
先日、お寿司を食べてきまして。モチロン、カウンターで。 とブルジョアぶってみましたが、行った先は練馬区は東大泉のまる辰。1貫100円~200円程度で新鮮なお寿司が食べられるとあって、お気に入りのお店です。大泉近辺では有名なのではないでしょうか。ランチより夜の方がネタが新鮮なイメージがあるので夜に行かれるとイイかと。 あの日は、どのネタもおいしくて「ほうぼう」を二回も食べてしまいました。 満腹、満足で次に向かったのは古書店ポラン書房。普段だとまる辰→同じゆめりあにあるカルディコーヒーファーム→くまざわ書店→ポラン書房と回るのですが、今回は時間が無いのでまん中二つはパス。 大泉街道に面するポラン書房は絵本、児童書からお固い思想書まで幅広いジャンルの古書をお手ごろの価格で提供してくれるとてもありがたいお店。 まず店内に入ってすぐの絵本の棚から数冊キープ。チャールズ・キーピングの作品が手に入ったのが収穫。このブログで紹介した絵本の内の大半はこちらで手に入れました。 続いて文庫本の棚へ。気になるものをチェックしつつ、隣の俳句コーナーに目を移すと、ここ一年以上売れ残っている句集「食ふ」が未だに鎮座ましましていた。見かける度に買おうか、買うまいか迷っていましたが、今日という今日は買おうと決心してレジへ。 店員さんが「俳句をやられるのですか」と尋ねるので「いえ。俳号が面白かったので。」と返答。 そう。ずーっと犬猫大臣という号が気になって仕方が無かったのです。いいポストですよね。犬猫大臣。 名前を譲って貰いたい位です。名刺にもペットシッター 藤村ではなく、犬猫大臣 藤村と載せたら、仕事もバンバンきそうだ。 うーん羨ましい。食ふ―犬猫大臣句集
犬猫大臣
渓水社 2000-06
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