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2008.06.03
ブログ大人と子供―「うんちしたのはだれよ!」
いきなりですが、大人と子供に違いってあるのでしょうか?大人、子供と呼ぶよりは、若い子供と年を取った子供と分けるのが妥当な気がします。 何故、こんな事を言い出すかといえば「うんちしたのはだれよ!」を読んでいる時の私の反応があまりに小学生じみていたからです。 男子小学生、汚い言葉が好きですよね。うんちとか。でも大人になればうんちごときで喜ぶはずが有りませんよね。そう。喜ぶはずがありませんとも。・・・・・喜んでしまうんですよね。20ページ中17ページにうんちが描かれているうんち満載の「うんちしたのはだれよ!」を読むと。 〔あらすじ〕 ある日 地面から顔を出したもぐらくんの頭の上にうんちが落ちてきました。失礼な行為に怒ったもぐらくんは様々な動物の元を訊ねて犯人を捜そうとします。頭にうんちをのせたまま・・・ 大人と子供の狭間で揺れている青少年の皆さんは、この絵本を読んでみるといいかもしれません。この絵本を楽しめるか楽しめないが大人と子供の踏み絵になるに違いありません。 ウソですが。うんち したのは だれよ!
ヴェルナー ホルツヴァルト ヴォルフ エールブルッフ
偕成社 1993-11
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2008.05.26
ブログみえないともだち2 その2―「風が吹くとき」
前回から間隔が空いてしまいましたが、「風が吹くとき」に関するとりとめのない思い出話をお伝えします。 話は、私が小学生の頃までさかのぼります。その頃どういう訳だか私の母親は、原爆を扱った写真集や絵本を集めていて、その中に「風が吹くとき」も含まれていました。小学生であった私も何となく写真集や絵本を読ました。写真も絵本も怖かったですね。でも何度も見ました。悲惨を学ぶといった殊勝な態度では無く怖いもの見たさで。その内、本当に怖くなって本棚に近づくのも嫌になってしまいました。 そんな状態ですから、本来楽しいはずの「サンタのなつやすみ」(レイモンドブリッグス著)のサンタのハゲた頭を見ても放射能の影響を連想していました。全く関係ないのに。 でも家にあった原爆本の中ので一番怖かったのは、「ひろしまのピカ」(丸木俊著)でした。この絵本は、今でもほんの少し怖いです。 とまあ、本当にとりとめのないお話なんですが、今でもあの頃のザワザワとした恐怖を覚えているんですよね。不思議と。 で記事の締めですがとりとめのなさに終始して 「LOVE&PEACE!」でとりとめもなく終わりたいと思います。風が吹くとき レイモンド ブリッグズ Raymond Briggs あすなろ書房 1998-09 by G-Tools -
2008.05.14
ブログみえないともだち2―「くまさん」
前回に続いてみえない友達のいる女の子の絵本「くまさん」をとりあげます。「アルド・わたしだけのひみつのともだち」では、女の子が孤独を感じた際の支えにアルドをしていたのに対して、「くまさん」では、単純に女の子の想像力の豊かさを描いているようです。 〔あらすじ〕 ある晩、女の子がぐっすりと眠っていると窓から大きな大きなくまさんが入っていきました。あっという間にくまさんと仲良くなった女の子は、一緒に寝たり、食事をあげたりと楽しく過ごしますが、次の日の晩にくさまさんは、帰っていきます。 ハイライトは、冒頭のくまさんの登場シーンです。作者レイモンド・ブリッグスの特徴であるコマ割りによって、小さくコマを割って徐々に女の子の部屋の窓に近づいていく様子を描ているので、最初はくまさんの大きさが分かりませんが部屋に入る瞬間は、ドーンと見開き1ページを使ってくまさんの大きさを表現しています。この時の迫力は、まるで映画のようです。この絵本、とにかくデカイ(37cm×27cm)んですが、その理由は、登場シーンを見れば納得です。 実は、この絵本にはもう一頭くまが出てきます。それは女の子が持っているくまのぬいぐるみです。何回も読んでいると妙に気になってきます。くまさんよりぬいぐるみを目で追ってしまう程に。ぬいぐるみなので表情は変わりませんし自分から動かないのに、まるで意志があるかのような錯覚を覚えてしまいます。女の子のお気に入りでいつ持ち歩いているぬいぐるみは女の子の想像の産物であるくまさんと現実をつなぐ役割をしているのかもしれません。 レイモンド・ブリッグスは、「ゆきだるま」(アニメ「スノーマン」の原作です)や「さむがりやのサンタ」で有名ですが、核戦争をテーマとした「風が吹くとき」の作者としても知られています。この作品には、個人的にちょっとした思い出があるのですが、次回に引っ張ります。正直、引っ張るような話じゃないですけどね。 ちなみに訳者角野栄子は、映画「魔女の宅急便」の原作者です。くまさん
レイモンド ブリッグズ Raymond Briggs
小学館 1994-12
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2008.05.08
ブログみえないともだち―「アルド・わたしだけのひみつのともだち」
はじめまして。当ブログにお越し頂きありがとうございます。初ブログなのでいささか緊張しています。 さて1回目に紹介する絵本は、「アルド・わたしだけのひみつのともだち」です。友達と言っても主人公にしか見えないのですが・・・・ あらすじ 主人公の女の子は、クラスメイトにいじわるされたり、両親が不仲だったりと、ミクロだけど子供なりにシビアな生活を自分にしか見えないひみつのともだち「ウサギのアルド」に支えられながら暮らしています。 この絵本は、原文が良いのか?訳者(谷川俊太郎!!)が良いのか?文章が短く平易でありながら、主人公の性格や気持ちをしっかりと伝わってきます。それに言い回しもどこかも洒落ています。 子供でも読みやすいようにと配慮があるのでしょうが、全文ひらがな使用も効果的です。女の子がまさに喋っているようで心にグッときます。 もちろん絵も魅力に溢れています。女の子は、線描でポツンとどこか頼りなく寂しげに描かれています。対して彼女を取り巻く環境(心象状態)は、ドロドロとした色調で描かれています。この対比によって彼女の置かれている環境がけして楽ではないことが分かります。それでもアルドと一緒にいる時の女の子は、とても楽しそうです。アルドがいれば安心だと。 子供がみえないともだちを必要とするように、大人も目にみえたり、みえなかったりする何かを支えにしながら生きているような気がします。もちろん私自身も含めて。アルド・わたしだけのひみつのともだち
ジョン バーニンガム 谷川 俊太郎
ほるぷ出版 1991-11
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