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2010.05.18
ブログ偽りの世界のたった一つの真実―ボルトとその他もろもろ
今回は映画「ボルト」を取り上げます。 ワンちゃん版「トゥルーマンショー」って感じの映画ですかね。主人公のボルトはTV番組を真実と思い込まされて、悪の手先に狙われている飼い主の女の子を守る為に絶えず警戒しているのですが、これだとえらくストレスが掛かりそう。 まあ、映画なのでそこは置いといて、全体的な感想としては楽しめました。ビックリするような展開ではないのですが、手堅く作ってありますね。 面白いディズニー映画はサブキャラクターが立っている事が多いような気がします。ボルトはまさにそのパターン。 ハムスターのライノ、素晴らしかった。声が良いんですよね。もともとは仮の声優さんを本番でも採用したらしいんですけど、大正解。ライノが主演の映画が有ったら見ても良いかもと言うほど気に入りました。 他にはハトも可愛かったです。ハリウッドのハトだけすれている辺りが芸が細かい。 最近のディズニー映画はそこそこ面白いので満足しているのですがレミー然りボルト然り、少し地味じゃ有りませんか?こんな物ですかね? 少ししか書いていないのに早くもネタが切れたので、最近見た映画の感想を一言ずつ。- 「ダメジン」 評判はあんまりなようですが、三木作品の中では「転々」と並んで好き。初監督作品だけあって勢いがあって良い。でもタイトルはイマイチだと思います。
- 「インスタント沼」 突き抜けはしませんでしたが、楽しめました。ありえない事を信じられない人生はつまらない。蛇口はひねらなければ、ですね。
- 「オトナ リ」 練馬区の石神井公園が出てた。その石神井公園での麻生久美子と岡田義徳の演技に感心。前者は警戒心を持ちつつも話に夢中になっている感じがよく出ていたし、後者は急に自信たっぷりに話すなぁと思ったら、後ほど理由が判明。そこまで考えて演出や演技ってするんですね。
- 「やまのあなた」 人によっては退屈に感じるでしょうが、嫌いじゃないです。按摩さん達の飄々とした感じが良かったです。現代に置き換えるとこの雰囲気は出にくいかも。マイコもキレイに写っていました。オリジナルと見比べるべきなのでしょうが、そんなパワーが出るかな?それにしても石井監督が次に何を撮るのか楽しみ。
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2010.05.11
ブログ動物虐待はダメ!―アヒルと鴨のコインロッカー
GW中は沢山のご利用ありがとうごさまいました。練馬区、中野区、板橋区、杉並区と隈なく回りましたが、お蔭さまで無事終えることが出来ました。 また、天気が良かったのも有り難かったです。でも、ずっと外に居たのですっかり日焼けてしまいました。 さて、今回は動物虐待はダメ!という事で映画「アヒルと鴨のコインロッカー」を取り上げます。 原作者は人気作家伊坂幸太郎。原作は未読ですが、伊坂作品なら謎めいた序盤から中盤、終盤でこれでもかと伏線が回収される展開だろうと、あたりをつけて見ていたら、まさにその通り。 この映画を見ている最中、常に原作の方が面白いだろうなという思いが頭からはなれなかったのは、こちらの理解力が足りないせいも有るのだろうが(アヒルと鴨が何の比喩かすぐに分からないのだから、足りないのは間違いない)、話のポイント、ポイントが上手く一致していないせいもあるでは。 作品のテーマである差別、動物虐待問題は唐突に感じられ、主人公濱田岳の成長へとつながっているとは思えない。 他にも今の若者がボブデュランをそんなに崇めるかなとか、ヒロイン関めぐみの虐待犯のへ対応も理解できない。警察に通報すればいいのに。ラストの主人公の素っ気なさもなんだか。 ペットショップの店長大塚寧々と留学生瑛太にもっと主人公が引っぱり回されたほうが面白かったのでは。 話の語り口や構造で見せるのも良いけど、物語自体の強い力で引きつける作品が個人的には好みです。調理方法も大切だけど、素材が良くないと。 濱田君の演技は良かったですね。以前池袋のPARCOで彼らしき人を見かけたのですが、本人だったのだろうか?似てる人って沢山いそう。その似ている人が沢山いそうなのが彼の魅力のでしょうけど。 ところでラストシーンで 瑛太は車に引かれたのでしょうか?ロッカーに神様を閉じ込めて、犯罪を見て見ぬふりをして貰うのなら、善行をしても加護は期待出来ないのではないでしょうか。 鴨とアヒル~に対してやたら偉そうにしてますけど、この後見た映画が「恋するマドリ」なのは秘密です。アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント 2008-01-25
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2010.02.18
ブログ世界的ヒット作「アバター」を見てみた
今朝の雪は粒が大きくて立派でした。手のひらに落ちてくる雪をよく見ると結晶の形が確認できる程。 改めて、雪の結晶の精緻さに驚かされました。不器用な自分が作ったらこうはならないだろうなと。 でも、我ままを言わせて貰えばペットシッター中は止んでで欲しいです。 さて、日曜日に話題のアバターを豊島園のユナイテッドシネマで見てきました。 映画好きですが、普段は和洋問わず大作は見ないので、そんな捻くれた態度はマズイと、知人が誘ってくれ、観覧の運びとなりました。 実は今回が初シネコン。ロビーのだった広さとロビーの一杯に広がる甘い匂いが印象的でした。非3D、レイトショーの為か、入りはイマイチ。 感想はといえば、初めの十数分は普通に映像と音響に引き込まれてしまいました。ヤバイ。楽しいかもと焦ったのですが、主人公・ジェイクとヒロイン・ネイティリの出会いのシーン以降から紗に構えて見だして、最後までそのままに。 やっぱ三時間は長い。観客を飽きさせないためなのでしょうが、色んなことをしすぎて掘り下げ不足の印象を受けました。もう少し丁寧に作って欲しい所です。まあ、アラを見つけて楽しむという意味では最適な映画とも言えますが。大佐のキャラクターの立ち方は凄かったですから。 映像は普通に気持ちよかったです。 まとめ- やっぱ大作はパスかな。
- なんで、アレだけ強い大佐がパンドラ初日で大怪我を負ったの?ベネズエラの方が大変じゃない?
- シネコンは甘いにおいがする。
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2009.05.12
ブログ宇宙人の視点―「ハックル」
前回からかなり間隔が空いての更新となってしまいました。今回は映画「ハックル」をご紹介します。 この映画、ハンガリーの映画学校生の卒業作品で出来の良さが評判を呼びアレヨアレヨという間に世界各国で公開されるという痛快なサイドストーリーを持っているそうです。 確かに学生らしいスゲーのを一発撮ってやろうという熱い意欲に満ちていながら、高い完成度を誇る作品で評論家受けが良いのも納得です。 あらすじ とある田舎の村に住むおじいさんのシャックリが止まらなくなっていました。 おじいさんのシャックリは豚が交尾する最中も、村の男達が次々となぞの死を遂げても、戦闘機が村を飛び回っても止まらず、ヒック、ヒックと村中に響き渡ります。 なんの変哲もない片田舎の村は小世界、世界の縮図として描かれています。そこでは生き物は生きるために他の生物を殺して食べてる。それは人間とて例外ではない。 そして、何故か村の女性達は総じて自分の伴侶を毒殺をする。もしくは殺そうと毒薬を隠し持っている。人間だけは必要も無く殺しを行うという意味が込められているのか?いないのか?定かではないが、村の男性達は何処かで殺される運命を分かっているよう。 その諦観は何処から来るのでしょうか?不思議と村の男達には諦めとも悟りともつかないような表情を浮かべているように見受けられます。 この作品の特筆すべき点は、撮る対象に対する距離感の特異さです。カメラが映すのは人間、人間以外の生物、工場のミシンや車のトランクの鍵穴等の機械や工業製品の三つに分けることが出来ます。 普通でしたら、人間側から他の二つを撮りそうなものですが、三つの内、どれかに寄らずにどれにも等しい距離感で撮っています。例えば村人が死にかけてるのにカメラはテンで違う所を撮っていたり、意味も無く車のトランクの鍵穴をクローズアップする。 これにより観客は今まで経験したことが無い、まるで地球に降り立った宇宙人(←この表現は評論家の受け売りです。)のような視点で映画を見ることが出来ます。宇宙人にとって人間と車のトランクの鍵穴は同程度の興味を引く存在ですから。 こんな経験は映画を見ていて初めですし、映画(映像)というメディアだからこそ出来ることでしょう。 ハックルとはハンガリー語でしゃっくりの事だそうで、「ハックル」と日本語の「しゃっくり」の響きが似ているところが何だか面白いのですが、映画の中で何がおこっても鳴り続けるシャックリとは戦争に環境破壊、人間が何をしても地球は周り続けていることを表しているのかなあと。 コンセプトは刺激的ですが、映画全体の印象は如何にもヨーロッパなタンタンとした作品で、台詞も殆どありませんのでバッチリ目が覚めている時にご覧になると良いかと。 -
2009.03.10
ブログなんだかんだで好きなのかも―「めがね」
今回は久しぶりに映画で。とりあげるのは「めがね」です。 この監督の作品は劇場公開作品4本中、今作を含めて3本見ていまして。では大ファンかと言えばさにあらず。たまたま劇場用長編デビュー作「バーバー吉野」見て以来、今後の作風がどう変化していくのかに興味が沸き、他の作品も見るようになったのです。 では「バーバー吉野」が好感触だったのかと言えば、またまたさにあらず。吉野刈りのネーミングの良さと冒頭の合唱シーンは認めるものの、ストーリー、キャラクター造詣の凡庸さ陳腐さについつい「雰囲気だけ。景色やもたいまさこの演技に頼りきりで工夫が無い。二度と映画をとらなくていい」と腹を立ててしまったのです。当時、何か嫌なことでもあったのかもしれません。 と、プリプリしていたのですが、「かもめ食堂」が好評なので、気になってしまいついついチェック。「バーバー吉野」で見せた雰囲気のある映像だけに特化した映画で、この路線で攻めるのかと納得。確かにヘルシンキの景色は綺麗だし、食事も美味そうに撮れている。キャスティングも絶妙。もたいまさこ、片桐はいりの存在感はいつものことながら、程良くきれいな小林聡美は嫌味がなく女性受けしそう。 「でもやっぱし話に厚みが無いんだよなあ」と、不満を感じました。(厚みを出す気が無いのは承知しているけど。) で、ここまで見続けたら「めがね」も見るしかないと覚悟を決めてDVDを借りました。 あらすじ 携帯の通じない場所へと行きたくなったタエコ(小林聡美)は、とある南の島へとむかう。そこは、民宿の主人(光石研)をはじめ、カキ氷屋のサクラ(もたいまさこ)、高校教師のハルナ(市川実日子)達が「たそがれて」過ごす、ゆったりとした時間の流れる島だった。 当初、彼らとリズムの合わないタエコだったが、豊かな自然に心が解きほぐれされるかのようになじんでいく・・・ 感想を単刀直入に言うと今までの作品の中では一番楽しめました。雰囲気優先なのは荻上作品の特徴だから置いといて。全体的な間やリズムが良かったし(今までと比べて)、登場人物に血肉が通っていたし(今までと比べて)、笑えるシーンも増えたし(今までと比べて)、なんか基礎体力がついた感じです。(ここまで読み返して見ると凄くえらそうですね。でも悪気は無いんで。) 印象に残ったのは犬のコージの演技?ですかね。なにせ出てくるタイミングがいい。演出なのか、好きなように歩かせているのか、分かりませんがこの映画の力の入ってない感をUPさせていました。 もう一つ演技で言えば、光石研が光っていました。お弁当を作っている様子は光石研が演技をしているのではなく、民宿の主人という人間がそこに実在しているかのようでした。 薬師丸ひろこ演じる農作業命のホテルのオーナーと出会うシーンも印象に残りました。私が勝手にイメージしている荻上直子監督のファン層は*なので、農作業を茶化すとは意外というか、根性があると言うか。 *20代以上の女性 好きなもの 雑貨、カメラ、、旅行(憧れていてもひんぱんには行かない)、散歩(こっちはよくする) 好きな雑誌 ソトコト、 天然生活、ku:nel イデオロギー エコ ロハス スローライフ スローフード (偏見なのですが、そんな気がしません?) 薬師丸ひろ子ではなく室井滋(「やっぱり猫が好き」)を使ってあげれば良かったのに。なんか仲間外れみたいでカワイソウじゃん。とか思いながら見ていました。 なんやかんや言って今作はそれなりに楽しめたし、きっと次回作も見るのではないでしょうか。今度はタイが舞台だそうで。どおりで「Pasco超熟食パン」のCMがアジアンチックな訳だ。 と思ったら監督が違った。小林聡美、もたいまさこ、加瀬亮が出るのにまぎらわしい。めがね(3枚組) [DVD]
VAP,INC(VAP)(D) 2008-03-19
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